野菜価格安定制度の経済分析 (II) : 特に制度運用基準価格について(農学部門)
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概要
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野菜価格安定制度の合理的なあり方とその運用の適正化を図るためには, 制度の基本となる運用基準価格の適正妥当な設定が重要であるが, その方法論はほとんど開発されていない。本稿では, 国の制度の他, 京都府, 東京都, 神戸市の諸制度を手がかりに, 制度運用基準価格の機能ないし性格を吟味し, 制度の類型区分を行うと共に, 特に保証基準価格の設定のあり方について理論的な考察を行った。また, 冬キャベツを事例に, 制度運用基準価格設定の基礎となる価格発現度数の計測を行ない, それを用いて, 各制度の諸特性を比較検討した。その結果, (1)保証基準価格は, 業務対象年間を通じて制度的に実現が保証されるべき価格と考えるべきではなく, 保証されるべき価格水準の実現を助成する価格として位置づけられるべきこと, (2)その設定水準は, 政策的に追求されるべき保証価格水準のみならず, 対象野菜の価格変動パターンに留意すると共に, 最低基準価格, 上限卸売価格等, 他の運用基準価格との相互関連に十分留意すべきことが, 明らかとなった。
- 京都府立大学の論文
- 1979-12-20
著者
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