〔第 5 篇〕 INH 誘導体の静菌作用に就いて(培地置換培養法による諸種結核化学療法剤の静菌作用の検索)
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概要
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本編では, 今日細菌学的活性の点に就いて盛んに論議されているINH誘導体の結核菌に対する静菌作用を検索した。その結果, 普通培養法に比して培地置換培養法を行なうとIsonicotinyl hydrazide methanesulfonate (IHMS)の静菌力は強くあらわれ, INHと同様の傾向を示したが, Streptomycylidene isonicotinyl hydrazine (SH)の静菌力は変りなく, Sodium glucuronate isonicotinyl hydrazone (INHG-Na)及びIsonicotinyl hydrazinopyruvinate (IPN)の静菌力は却つて弱くあらわれる成績を得た。従つて, IHMS及びSHは誘導体そのままの形で, INHG-Na及びIPNは培養中にINHを遊離する事により, 強力な静菌作用を示すものと考えられる。以上の成績より, 本法は, 培養中に静菌力を減弱する薬剤のみでなく, 逆に分解によつて静菌力が増強する薬剤のより正確な静菌力を検索する有力な方法の一つであると思う。
- 京都大学の論文
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