実験的結核病巣における脱水素酵素の組織化学的研究
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概要
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最近10年余りにおける酵素の組織化学的研究の著しい発達の中で, 酸化・還元酵素に関する組織化学的手技の開発は特に目覚しいものがある。即ち, 脱水素酵素に関してはSeligman Rutenburgによるコハク酸脱水素酵素, Farber等, Nachlas等, Pearse等によるDiaphorase及coenzyme dependentの脱水素酵素の組織化学的方法の研究は, その後Nitro BT, MTT等のすぐれたtetrazolium塩が広く市販され, 又, cryostatの普及による新鮮切片の作製が容易になった事等の事情から, 最近急速な進歩を遂げた新しい分野であり, 正常組織は勿論, 腫瘍等の病的組織における脱水素酵素の研究報告は急速にその数を増している。而して, 結核症の研究に於ても, 従来組織化学的手技の開発に伴い, それらはいちはやく応用され, 数々のすぐれた報告があり, 枚挙にいとまのないところであるが, 酸化・還元酵素についての研究は比較的少く, 特に上述の各種脱水素酵素に関する適確な報告は未だ認めないのが現状である。われわれは結核症の組織像で最も特徴とされる類上皮細胞に特に重点をおき実験的結核病巣での各種脱水素酵素反応を系統的に検討した。
- 京都大学の論文
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