岐阜縮緬に関する一考察
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概要
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岐阜縮緬は享保の頃に,美濃一帯で製織されたことから,はじめは美濃縮緬と呼ばれ,その後,生産の中心地が岐阜市域に移り,岐阜の特権商人の手を経て京都の市場へ送られたことにより,岐阜縮緬の名が一般化したと考えられる。 また18世紀後半以降尾張藩の保護を受け尾州御蔵物として扱われてきた岐阜縮緬は,明治時代の廃藩置県に伴い,ひとり歩きを余儀なくされた。 そこで縮緬同業者は組合を設立し,縮緬生産に従事したのである。 しかし,それ以後濃尾織物業は毛織物を中心にに移行するとともに,伝統的な縮緬製織は衰退して現在はほとんどみられない。 だが養蚕はいまなお続けられている。 近年,農業従事者の高齢化,労働不足等により繭生産は減少傾向ではあるが,養蚕等の推持発展のために養蚕経営の体質改善を推進し「ぎふ銘柄繭」の安定生産の向上に努めている。 これにともない絹製品,繭糸工芸等の生産においても今後の発展を期待されている。 この様にすでに岐阜縮緬の製織は衰退しているが,全盛期には生産の中心地として知られている鏡島地域についての調査研究を次回の課題としたい。
- 東海学院大学・東海女子短期大学の論文
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