<総説>癌光力学療法におけるポルフィリン系光増感剤
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概要
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近年, 癌の光力学療法(PDT)が注目され, 精力的な研究が広範に進められている。現在, PDTの臨床試験に用いられている光増感剤としては, ヘマトポルフィリン誘導体(Hpd)が挙げられる。しかしながら, このHpdは, 高い組織透過性を有する600nm以上の可視光に対して弱い吸収を示すにとどまり, さらにHpd中の活性成分が腫瘍組織に取り込まれる割合は, 正常組織に比べてけた外れに大きいわけではない。したがって, より効果的なPDTを実施するにあたり, 適用される光増感剤としては, 組織透過性の高い赤色光領域に強い吸収を持ち, 腫瘍組織に対して高い選択性および親和性を具備するものが望まれる。このような理由で, 最近, 多種多様な新しい光増感剤が登場してきた。なかでも, メソ置換ポルフィリン, クロリン誘導体, バクテリオクロリンおよびフタロシアニンが, PDTにおける第二世代光増感剤として注目を集めている。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1990-06-30
著者
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