<教養科論文>清末無錫における蚕糸業の展開
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概要
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この報告は, 19世紀中葉に世界市場に包摂されたのち中国の蚕糸業にいかなる変化が生じたかを明らかにすることを目的として, 分析の対象を江蘇省の新興蚕業地無錫に設定し, 19世紀中葉以降, 第一次世界大戦前夜までの無錫の蚕糸業の変化・発展の過程を歴史的にあとづけようとするものである。具体的には以下の三点を中心に分析を進めた。(1)無錫ではいかなる理由により, 在来糸の生産がいち早く放棄され, 繭販売を目的とした新しい養蚕業が広汎に行なわれるようになったか。(2)歴史的にうけつがれてきていた地主制や技術の低位性・分断的な市場構造・前期的資本による収奪・反動的な清朝地方当局による流通課税などは, 無錫の養蚕業の発達をいかに制約していたか。(3)無錫の農民は自己の養蚕経営にのしかかるさまざまな障害をどのように克服しようとしていたか, また第一次世界大戦の前夜までに無錫の養蚕業はいかなる発展を示していたか。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1987-06-30
著者
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