3. 3 2電子性再結合の速度係数
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概要
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自由電子の共鳴捕獲過程を通じて起る2電子性再結合が電離平衡に与える重要性は, 近年, プラズマ分光の分野で注目されてきている。Burgessは, 特に, 高温プラズマでこの過程が以前指摘されてきたよりもはるかに重要であり, 多価イオンの励起エネルギーにほぼ等しい電子温度近くで主要な再結合過程となり得ることを主張し, 定量的な評価をするためのGeneral Fonmunaと呼ばれる半経験式を提唱した。その後Ansari et al, Skore et al, Tucker & Gould, Donaldson & Peacock, Aldrorandi & Pequignot, B eigman et al, 5がそれぞれ近似式を提唱しているが, ここではHe-like ionを例にとり, 2電子性再結合速度係数の数値的比較を行った。2電子性再結合は, 再結合するイオンの束縛電子の励起エネルギーにほぼ等しい自由電子の共鳴捕獲と, それにつづく輻射遷移による安定化により完了する。[numerical formula]ここで, X^<+z>はZ価にイオン化された原子を示し, E_e, l_eは, それぞれ自由電子の運動エネルギー, 角運動量, νは放出された光の振動数を示す。Term Schemeを図,1に示す。2電子性再結合の速度係数α(i, t_0t)は[numerical formula]と与えられる。ここでωは統計的重率, A_aは自動電離確率, A_rは輻射の遷移確率を示す。Eは再結合する前のイオンに束縛されている電子の励起エネルギーである。(1)式は複雑で取扱いに不便なため, さらに単純な半経験式, 近似式が提唱されており, 例えばBurgessは[numerical formula]とした。Tucker & Gouldは, 自動電離状態の軌道角運動量依存性を無視するという基本的な誤りも犯しているため, 数値的比較から除外し, その他についての比較を, 特に, He-like ionについて行った。その結果を図2,3,4に示す。多くの場合, Shore et al, Beigman et al, Aldrorandi & PequignotはBurgessのものよりも20∿50%大きな値を与える。またKato and Fujimotoによる個々の準位について和をとった詳細な計算はBurgessよりも更に50%程度小さな値を与える。
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