3.1 サティライト線

概要

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サティライト線は, レーザープラズマ, ヴァキューム・スパーク, テータ・ピンチ, 太陽コロナのフレヤー, トカマク等の種々のプラズマから測定されている。レーザープラズマ, 太陽コロナからのサテライト線は主に二電子性再結合によるものが多く, ヴァキューム・スパーク, トカマク等は, 内殻励起によるものが多い。He様及びLi様イオンからのサティライト線は, よく観測されていて, 自動遷移確率(A_a)や遷移確率(A_r)も計算され, 強度の計算も行われている。しかしその他のイオン(例Ne様イオン)からのサティライト線は波長の同定が行われている程度である。レーザープラズマからのX線スペクトルの波長表は, Boiko et al (1978)にまとめられている。イオン電荷子のイオンからのサティライト線をI_S(z), 共鳴線をI_R(z)とあらわせば, Ionizing Plasmaの場合はI_S(z-1)/I_R(z), Recombining Plasmaの場合は, I_S(z)/I_R(z)が, 温度にのみ依存し, 密度に依存しない。従って, この比は, 電子温度を知るための有力なパラメーターとなる。プラズマがreumbining plasmaかionizing plasmaかで, 温度依存の様子が異るので, 解析を行う場合は, プラズマの状態をまず調べる必要がある。核電荷Zに対する依存性は, Zが大きくなるとA_r∝Z^4及びA_a∝const.の関係があるために, Z<<40では, I_S/I_RはZ^4に比例して出やすくなり, Z>>40ではZによらなくなる。又Zの大きいイオンに対しては, 内殻励起によるサティライト線が比較的多くなる。He様イオンに対しては, Intercombination line(2^3p-1^1s; 高密度で強度大)及び, forbidden line(2^3S-1^1S; 低密度で強度大)から電子密度の情報を得ることが出来, サティライト線を含めて, 総合的に線強度を解析すれば, プラズマの状態はかなりよく知ることが出来る。電子密度及び電子温度が解っている時は, サティライト線を使ってイオン比を求めることが出来る。例えばionizing plasmaの場合はI_S(z)/I_R(z)∝n_<z+1>/n_z, secombining plasmaの場合はI_S(z-1)/I_R(z)∝n_z/n_<z+1>の関係がある。現在までのサティライト線の解析は, 我々(藤本・加藤)の解析を除いて, 凡てionizing plasma又はequilibrium plasmaのモデルの下で行われている。レーザープラズマのような再結合が主要なプラズマに対しては, この適用は正しくなく, 今後の課題である。
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