Caviton Physics と粒子加速研究 : 応用可能性について
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概要
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空間的に局在化した大振幅電子プラズマ波は,そのポンデロモーティブカにより,プラズマ中に低密度部(density Cavity)をつくる。この低密度部に定在波として捕捉された電子プラズマ波をキャビトン(Caviton)と呼ぶ。Density CavityをCavitonと呼び,電子プラズマ波に付随する高周波電場をCaviton fieldと呼んで区別することもある。電磁波の不均一プラズマによる共鳴吸収や,プラズマ中を伝播する電子ビームによる不安定などによって引き起こされるStrong Langmuir turbulence下では,キャビトンは常に存在する。[1] Caviton fieldは,transit-time-acceleration機構により電子にそのエネルギーを移管できる。[1]最近,キャビトンに付随してプラズマ・ポテンシャルが局所的に強く変調される事も観測されている。[2]このようなキャビトンに付随した現象を粒子加速に応用出来る可能性がある。Hora等[3]により提案されたLaser Focus Accelerator (LFA)では,強力なレーザー光がプラズマ中を伝播する際に引き起こすrelativistic self-focusingにより生ずる強いポテンシャル勾配に起因するポンデロモーティブカを粒子加速に利用しようというものであるが,類似の考え方がキャビトンに付随した上記の性質にも適用し得るであろう。図1に考えられる加速機構をまとめてある。キャビトンに付随して,10^8V/cmを越すポテンシャル勾配が発生し得る事が,最近Hora等によるレーザーとプラズマの相互作用のコンピューター・シミュレーションで示された。[4]キャビトンに捕捉された大振幅電子プラズマ波によるtransit-time-acceleration機構を利用した電子ビーム加速の方法を模式的に図2に示す。キャビトンを適当な間隔で配置し,高周波電場と加速される電子ビーム間の位相関係を適当に調節できれば非常に高い加速勾配を持った線形加速器を構成する事が可能であろう。
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