<調査報告>伊丹市昆陽池公園の計画設計管理,並びに管理運営の報告
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概要
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昆陽池は,名僧行基菩薩により灌漑・治水を目的として,天平3年に造られたと伝えられるため池で,1200年余の歴史を持ち,阪神間有数の渡り鳥の飛来地として知られている。本稿ではその歴史をたどり,特に1973年,野鳥公園として開設して以来,今日に至るまでの30年に焦点を絞り,その計画設計の経緯,工事監理の特性,生き物の生息状況,そして管理運営の変遷などをとりまとめ報告し,都市部における自然型公園の管理運営の教訓と,課題を明らかにすることを目的とする。はじめに昆陽池の歴史,並びに昆陽池公園の成立過程と概要を整理し,公園化における計画の考え方,設計の方法を明らかにし,工事期における課題と対策をとりまとめた。次に開設後の生き物の回復具合,並びに棲息状況を整理し,管理運営の分析においては組織と費用面について明らかにし,抱える問題については,アオコとカワウが特筆されることから,その対策を整理するとともに,利用運営の分析においては利用状況,住民参加の概要をとりまとめた。その結果,管理運営の長所と課題が明らかになった。長所としては,清掃美化レベルが高い,多様な生き物の棲息地,伊丹市の名所化,福祉の充実が,そして課題としては,アオコ対策の不備,施設が増え自然優先のコンセプトが損なわれた,カワウの繁殖が生態系を犯した,などが分かった。
- 関西学院大学の論文
- 2003-03-31
著者
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