「実習記録」に関する基礎的考察 : 「社会福祉援助技術現場実習」関係文献の検討を通して
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概要
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本稿は,社会福祉実習指導体系確立の一助となることを目的として,特に「実習記録」の概念枠組みについて社会福祉実習関係文献をもとに整理・検討したものである。はじめに「社会福祉実習」を,坪上宏の所論を援用し,「主体」,「対象」,「目的」,「手段」からなる人間実践のひとつと捉えた。そのうち,人間の内在的な力が「外化」し,「事実化」した「手段」は,意味付与を行う「主体」としての「人間」と切り離せないことを示した。そのうえで,仮説として「実習記録」を記述する際の8つのポイントを提示し,このポイントをふまえた記録からは,(1)「理論」,(2)「理論」をふまえた実習生の行動,(3)現場実践,という3つの局面間それぞれの差異が徐々にあらわれることを示した。そして,実習生がこの3つの差異を「実習記録」により意識し,整理・検証し,さらに記録することにより,「実習記録」は必然的に実習の「手段」となり得ることを示した。
- 新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部の論文
- 2002-03-10
著者
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