「坪上援助関係論」構築の歩み : 社会福祉方法論研究の一視角としての坪上宏研究
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概要
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本稿は,元日本福祉大学教授で社会福祉方法論研究者である坪上宏氏(以下,敬称略)が提唱したいわゆる「坪上援助関係論」構築の歩みを,国立精神衛生研究所において実践・研究活動を行っていた第1期,日本福祉大学教員時代の肺炎に罹患するまでの16年間の第2期,肺炎罹患後現在までの第3期,という坪上自身による3期の区分にしたがって概観したものである。また参考資料として「坪上宏著作目録及び略年譜」を作成した。本研究から,坪上は自身の理論展開を通して,第1に実践と理論の乖離状況の克服,第2に社会福祉論のいわゆる政策論と技術論の拮抗状況の克服という2点の課題克服を目指していたことが分かった。坪上は第1の課題に対しては現場実践の丹念な観察から共通要因を探り理論化していく姿勢を一貫して持つことになる。また第2の課題に対しては社会福祉方法論にいわゆる「歴史性」を導入させるという試みを行っている。
- 新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部の論文
- 2001-03-10
著者
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