<原著>行政機関で働く保健婦の主体性およびコミュニティ影響力への関連要因 : 経験年数による分析
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概要
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本研究の目的は,保健婦のエンパワメントの下位概念としての主体性およびコミュニティ影響力について,経験年数によって分析することである。保健婦を対象として質問紙調査を実施し,191名(40.6%)の回答から以下の結果を得た。1)主体性は13項目のうち1項目を除き,コミュニティ影響力は7項目すべてにおいて,経験年数の増加に伴って得点が有意に増加していた。2)主体性を促進する要因は,経験10年未満群では自己充実的達成動機が高いこと,他職者へよく相談すること,同道(複数)訪問の機会が少ないことであり,経験10年以上群では働きがい度が高いこと,他職者へよく相談すること,職位があることであった。3)コミュニティ影響力を促進する要因は,経験10年未満群では事例検討の機会が多いこと,自己充実的達成動機が高いことであり,経験10年以上群では他職者へよく相談すること,働きがい度が高いこと,未婚であることであった。保健婦の主体性やコミュニティ影響力を高めるためには,事例検討や関連職種への相談が行いやすく,働きがい度が高められるような職場環境の整備が必要である。
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