『マルテの手記』を読む(IV)
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概要
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本稿第11章では『マルチの手記』における神について考察する。『手記』の神とは排除された他者の代用であり,生の目的を示し,意味を与える為に呼び出されたものである。最終第12章においては『手記』を締め括る「放蕩息子」の寓話を,愛のテーマに焦点を絞って読む。この蕩児は「愛の女」の系譜を引くものであり,他者の愛を拒絶する為に家出し,その拒絶を貫きつつ,「神への愛の仕事」に就く為に帰宅する。それは「詩人」の寓話であり,マルチの仕事の成果たる「作品」と見なすこともできる。
- 神戸薬科大学の論文
- 2001-02-25
著者
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