<論文>学生食堂メニューにおける栄養成分表示と栄養情報提供の効果
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概要
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若い年代(15〜29歳)において,飲食店や集団給食施設等の昼食外食率は3人〜4人に1人の状況である。食生活の課題が多い若い年代が健康な食生活を送るためには,外食を上手に利用するためのメニュー選択や食品の組み合わせ方法等の基礎知識の習得が必要である。その前提として,メニューの栄養成分表示等の情報提供が食環境づくりとして重要な条件となる。先行研究では食環境づくり面における取り組み事例が少ないことから,本研究では学生食堂での栄養成分表示を中心とした4種類の情報媒体の提供を試みた。その評価は質問紙調査法により,主に情報媒体の利用状況・分かりやすさ・実用性について検討し,3指標「食堂メニューヘの栄養成分表示の必要性」「自分の1日に必要なエネルギー量の認識の有無」「食品の購入時,栄養成分表示を見る程度」については,情報提供の前後で比較評価した。情報媒体の利用状況は栄養成分表示が75.8%と最も高く,わかりやすさ・実用性は,約50〜60%の支持であった。3指標における情報提供前後の比較では,栄養成分表示の必要性や自分の1日に必要なエネルギー量の認識は増加したが,食品購入時の表示を見る程度については減少した(3指標ともp<0.01)。今後はさらに学生に身近な食堂を活用して,学生の食意識への働きかけに留まらず,食行動の改善も視野に入れた取り組みが必要である。
- 山口県立大学の論文
- 2003-03-25