ケニア国の半乾燥地における菌根菌を活用したアグロフォレストリー(農学)
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概要
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ケニア国の半乾燥地における菌根菌を活用したアグロフォレストリー体系を構築する上で必要な基礎資料を得るため, この地区における菌根菌の調査を行うとともに, 樹木, 草などの菌根形成を観察した。また, 当地区における菌根菌の接種効果やその活用, 特にVA菌根菌資材による苗木養成法についても検討を加えた。その結果は以下に示すとおりである。1)土壌から採集されたVA菌根菌胞子は, 主としてGlomus属のものであった。2)調査したいずれの植物においても, 外生菌根はみられず, VA菌根であった。しかし, 菌根感染率は植物の種類によって差異があった。特に, Cynodon nlemfuensis, Cyperus rigidifolius, Cyperus teneristolon, Dactylotenium aegyptium, Digitaria abyssinica, Euphorbia hirta, Imperata cylindrica, Killinga bulbosa, Panicum maximum, Setaria pumilla およびSolanum incaniumという草, キャッサバ, 並びにCarica papaya, Mangifera indica, Psidium guajava, Tamarindus indica のような主要な熱帯果樹や上着の果樹2種類における菌根感染率は高かった。3)VA菌根菌を接種したパパイア実生苗をパイロット圃場に移植したところ, 移植約8カ月後の生存率は90%であり, 無接種個体(25%)と比べて, 著しく高かった。4)キビ栽植土壌を菌根菌接種源として, 27種類の樹木に接種したところ, 多くの樹種で菌根感染率が高まり, 樹体生長が旺盛になる傾向がみられた。5)以上の結果から, 菌根菌, 特にVA菌根菌の利用は当地のアグロフォレストリー体系の構築に大いに貢献することが明らかとなった。
- 2000-12-25
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