多国籍企業における内部化理論の再検討試論 : 日本のテレビ・ゲーム産業をケース・スタディとして
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概要
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この論文の研究目的は、日本のテレビゲーム産業のケーススタディを通しての内部化理論の再検討にある。内部化理論は、イギリスのレディング派を中心に1970年代から精緻化され、多国籍企業の行動分析に大きな貢献をなした。しかし、内部化理論は、1990年代に飛躍的発展を遂げたコンピュータ・ソフト産業の多国籍化が行われる前に完成してしまった感もある。 論文におけるケーススタディの結果からは、日本のテレビゲーム産業はレディング派の説くような内部化を推し進めていないことが観察できる。内部化理論はコスト・ベネフィットに従った多国籍企業の行動理論であると仮定される一方、テレビゲーム産業は集権的で本国に傾斜した開発・生産を行い、海外生産の機会は少なく販社レベルに留まることを示している。このような観察結果からしても内部化理論に基づいた多国籍企業の行動原理は、コンピュータ・ソフト産業の観点からも修正される機会を見出している。
- 多摩大学の論文
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