駿河湾エダミドリイシ群落におけるマガキガイ Strombus luhuanus の個体数密度の変化
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概要
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駿河湾エダミドリイシ群落のマガキガイの個体数密度に関して調査を行った。ここは本種の分布北限域にあたることから貝殻の形態を南方個体群と比較した。その結果、本個体群は殻幅に対する殻長の割合が小さく、細長い形態を有していた。2005年の個体数密度は2000年の約2倍に増加しており、サンゴ礫地の広範囲に生息していた。また水温の低下時期に高密度化する傾向が認められた。本種はエダミドリイシのポリプに対して軟体部を殻口に引っ込める忌避行動を顕著に示したが、サンゴ礫に対しては何も反応を示さなかった。餌である底質の付着藻類量はサンゴ礫が砂に比べ有意に多かった。死殻は殻高40mm以上の大型個体の割合が高かった。死亡して間もない付着生物のない死殻はほとんど破壊されていなかったが、付着生物のついた死殻の約60%は破損していた。本種の個体群サイズの増加要因を分布北限域における本種の生物特性から考察した。
- 2011-12-20
著者
-
上野 信平
東海大学海洋学部
-
鈴木 伸洋
東海大学連合大学院生物科学研究科
-
鈴木 伸洋
東海大学大学院海洋学研究科
-
鈴木 伸洋
東海大学海洋学部水産学科
-
田中 彰
東海大学大学院生物科学研究科
-
中島 匠
東海大学海洋学部
-
SUZUKI Nobuhiro
Department of Fisheries, School of Marine Science and Technology, Tokai University
-
小坂 剛
株式会社一成環境事業部
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