エアーガン(圧搾空気)による大腸穿孔の1例
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概要
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エアーガン(圧搾空気)は,塗装や,洗車,洗車後の水滴を除去するのに使用されるが,今回われわれは,エアーガンによる大腸穿孔例を経験したので報告する。症例は,54歳男性。仕事中同僚に作業着の上からエアーガンを肛門に当てられ,空気を入れられた。その後排便,排ガス,排尿がなく,腹部膨満感が続いているということで,当院救急外来を独歩受診した。腹満を認めるが,反跳痛軽度で筋性防禦はみられなかった。直腸診で血液の付着を認め,立位胸部X線検査で多量のfree airを認めたため大腸穿孔の診断で緊急手術をおこなった。手術では,S状結腸に4㎝大の穿孔と,その肛門側に漿膜筋層の断裂を認め,腹腔内の汚染も高度なため,ハルトマン手術を施行した。術後経過は良好で,入院17日目に退院した。6ヵ月後に人工肛門閉鎖術を施行した。圧搾空気使用者と医療従事者は,圧搾空気の使用によって,重大な合併症が起こりうることを十分認識する必要がある。
- 2011-06-01
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