80歳以上の高齢者における頭部脈管肉腫2症例に対する化学療法

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概要

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頭部脈管肉腫治療は，近年縮小手術か無手術で，放射線療法とタキサン系抗がん剤併用が主流である。自験例は，症例1は軽度認知症の独居88歳女性，症例2は認知症と脳梗塞後片麻痺の既往の85歳女性である。病理組織学的に頭部脈管肉腫と診断し，初期治療に放射線療法を行い腫瘤は軽快した。症例1は初期治療後，左耳下腺転移しドセタキセル投与を試みるも骨髄抑制で継続できず初診後25ヵ月で死亡した。症例2は，通院でドセタキセル投与を行ったが，十分投与を行えず局所再発，入院でドセタキセルを増量するも肺転移，初診後18ヵ月で死亡した。脈管肉腫治療は放射線治療後に抗癌剤使用が重要と考える。しかし，80歳以上の超高齢者は，潜在的免疫不全，基礎疾患や患者背景など，抗癌剤治療を継続できないことがある。標準的治療確立において，年齢・潜在的免疫不全の評価も重要であると考える。
2011-09-30

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