基底細胞母斑症候群の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
65歳男性。1年前に気付いた鼻尖部の10×10 mm大の常色結節を主訴に受診した。鼻以外にも顔面から頸部に3〜8mm大の黒色斑や丘疹が多発していた。鼻尖部の結節を生検し基底細胞癌(以下BCC)と診断した。臨床像・ダーモスコープ所見で他の黒色腫瘍も全てBCCを疑い,2〜3mm離して切除・縫縮した。鼻尖部結節は境界が不明瞭であったため,初回の手術で病理組織学的に腫瘍の残存がないことを確認後,二期的に鼻唇溝皮弁で再建した。その後も残存する顔面の多発BCCを逐次,追加切除した。その他の所見として両手掌に点状陥凹が存在し,前頭突出や眼間解離があり,レントゲン,CTで大脳鎌の石灰化が認められ,最終的に基底細胞母斑症候群と診断した。さらにMRIで小脳腫瘍を認めた。多発するBCCや掌蹠の小陥凹が存在した場合は本疾患を疑い精査するとともに,手術による侵襲を最小限にするためにも増大する前に積極的なBCCの切除が必要と考えた。
- 2011-09-30
著者
-
山本 明史
埼玉医科大学国際医療センター 皮膚腫瘍科・皮膚科
-
山本 明史
埼玉医科大学国際医療センター
-
須山 孝雪
埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
-
寺本 由紀子
埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
-
堤田 新
埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
-
山本 明史
埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
関連論文
- 治療 内眼角部悪性腫瘍切除後の再建例
- 頬部の体表悪性腫瘍における治療戦略 (特集 体表悪性腫瘍の部位別治療戦略)
- メラノーマの原発巣の厚さとセンチネルリンパ節の転移率についての検討
- 総説(7)抗がん剤の血管外漏出時の皮膚障害とその対策
- 皮膚がん (第48回日本癌治療学会学術集会Educational Book) -- (教育セッション がん治療update)
- 治療 転移性有棘細胞癌に対しTS-1単独投与によりCRが得られた1例
- 点滴漏れによる皮膚障害 (特大号 すべての医師に必要な皮膚科知識) -- (いずれの病棟でも遭遇する皮膚疾患)
- 症例報告 有茎性結節を形成した乳房外Paget病の1例
- 悪性黒色腫
- 症例報告 Desmoplastic malignant melanomaの1例
- 基底細胞母斑症候群の1例
- 治療 Interferon-β髄腔内投与が有効と思われた悪性黒色腫癌性髄膜炎の1例
- SPECT/CTを使用したセンチネルリンパ節同定
- S-1を用いた皮膚悪性腫瘍術後補助化学療法の pilot feasibility study
- 本邦における悪性黒色腫の統計, 2006, 2007年度全国定点調査の集計
- 本邦における悪性黒色腫の統計:2006,2007年度全国定点調査と2005~2010年度全国追跡調査の集計