集中治療室における手指衛生遵守へのコンピュータ画像メッセージ(スクリーンセーバー画像)による効果
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概要
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感染対策上重要である手指衛生の遵守率向上を目的に,コンピュータのスクリーンセーバーの画像メッセージを介入手段として準実験研究を実施した.集中治療室に勤務する医療従事者87名を対象に,直接観察法による手指衛生の遵守率と擦式手指消毒剤と液体石けんの使用量を評価指標として調査し,対照期間と介入期間で比較検討を行った. その結果,直接観察法による遵守率は対照期間が38.3%,介入期間は36.4%であった(χ2=1.01, p=0.31).擦式手指消毒剤と液体石けんの使用量は対照期間に比べ介入期間が19.2%増加した.直接観察法による遵守率の向上は明らかではなかったが,擦式手指消毒剤と液体石けんの使用量の増加により介入効果が確認された.また,手指衛生遵守に与える要因について,介入前後における遵守率の結果をもとに比較検討した.調査対象者の職種間,性別間において遵守率に変化はみられなかった.介入前後において石けんと流水による手洗いが60%以上を占めていた.看護必要度(t=2.94, p<0.01),病床稼働率(t=49.70, p<0.01)は,介入期間において統計学上,有意に低値を示した. これらの結果より,スクリーンセーバーの画像メッセージが集中治療室における手指衛生遵守率に向上への有効性が確認できた.しかしながら,手指衛生方法の第一選択は,擦式手指消毒剤であることを理解させる必要性と,アクセスしやすい場所への擦式手指消毒剤の設置の重要性が示唆された.
- 2011-01-25
著者
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