土壌フィルターによるNO吸着実験
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概要
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固定源由来NOxの土壌と植物による吸着・有効利用新システムの可能性を検討するための第1段階として、円筒容器内の土壌にNO含有ガスを通過させることによるNO吸着実験を行った。得られた結果は以下のごとく要約される。1)吸着がない場合の着目ガス成分の土壌内濃度分布解析解を導いた。得られた解を同伴ガス成分であるO2の破過曲線とカーブフィッティングさせることにより、ガス成分の見かけの拡散係数を求めることができた。2)吸着速度がLDFモデルで表されるものと仮定し、吸着を伴う土壌内の着目ガス成分濃度の数値解を求めた。実験で得られた土壌層出口におけるNO濃度の実験結果は数値解による計算結果と良好に一致し、LDFモデル適用の妥当性が確かめられた。3)NO吸着容量に関するパラメータaと時定数θは土性および土粒子内部の細孔構造により異なる。畑土ではこれらの値が砂や調製団粒土に比べて相対的に大きかった。また、aの値は適度に水分を含む場合に大きく、水分がそれより高くなると小さくなることが分かった。4)本実験で得られた吸着容量Qmaxの最大値は1.51×10(-3)(m3-NO/m3-Moist Solid)で、フィルター材料として土壌のみを単独で使用するだけでは固定源由来のNOシンクとしては不十分と思われた。
- 養賢堂の論文
- 2007-12-10
著者
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