唇顎口蓋裂を伴う部分無歯顎患者に対する磁性アタッチメントを用いた義歯補綴治療
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例の概要: 47歳の女性.クラスプ破折に起因する上顎部分床義歯の使用不能による審美障害を主訴として, 平成12年12月4日に本学歯学部附属病院に来院した. 本症例は, 唇顎口蓋裂閉鎖術後の上口唇の瘢痕拘縮と, 上下顎の大きさの不調和を有し, 人工歯の排列位置を含む義歯の維持・安定が懸念された.<BR>処置とその考察: 上顎の残存歯に根管治療, 根面板/歯冠修復治療を施した後, 切端咬合と交叉咬合を付与し, 支台装置として磁性アタッチメントを使用した部分床義歯を装着し, 審美的にも, 機能的にも満足の得られる治療結果が得られた. 磁性アタッチメントを支台装置とし, 暫間義歯を兼ねた診断用義歯の利用が, 義歯の維持・安定を含む治療計画の立案に有効であることが示唆された.<BR>結論: 治療終了後, 約3年が経過しているが大きな問題は生じていない. 本症例から, 磁性アタッチメントの補綴歯科治療への応用が患者のQOLの改善に有効であることが示された.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2007-04-10
著者
関連論文
- 20. 要介護高齢者の歯科診療に関する一考察 : 本学歯学部附属病院における当科の取り組みから(東日本歯学会第18回学術大会一般講演抄録)
- 38.北海道南西沖地震被災者への歯科的救援活動 : 義歯紛失者への補綴診療活動から(一般講演)(東日本歯学会第12回学術大会(平成6年度総会))
- 加齢, 栄養, 飼育飼料形態および咬合支持が高週齢ラットの全身持久性と下顎骨および大腿骨骨塩量に及ぼす影響
- ラットにおける加齢,咬合支持,飼料形態,栄養が全身に及ぼす影響
- 歯の喪失と粉末資料飼育が海馬のacetylcholineに及ぼす影響
- 全身運動(身体運動)機能に及ぼす咬合の役割
- 咬合支特の喪失がラット脳内のACh作動性ニューロンに及ぼす影響
- 歯の喪失が中枢ACh作動性ニューロンに及ぼす影響
- 中枢ACh作動性ニューロンに対するNOの影響に関する電気生理学的検討
- ラットにおける咬合・咀嚼が脳・免疫連関に及ぼす影響