熟柿化過程におけるカキ'西条'の裂果
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概要
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0℃で数週間貯蔵したカキ‘西条’を100ppmで48時間エチレン処理し熟柿を得たところ、熟柿化の過程で裂果の発生がみられた。低温貯蔵期間と裂果率の間には有意な相関(r=0.707(*))が認められた。カキ‘西条’の果実表面にはひび割れがみられ、これらのひび割れは線状にクチクラ層に発生し果皮には達していないようにみえた。またひび割れの多くは果頂部付近で側溝に沿って発生していた。裂果、すなわち裂開の発生は果実側面で多く認められた。詳細な観察の結果裂開の多くが明らかにひび割れから発達したとみられること、および果実におけるひび割れと裂開の位置がきわめてよく一致したことから、裂開はひび割れから生ずるものと推察された。‘西条’果実はエチレン処理開始後6日で斉一に熟柿になるが、裂開の発生はエチレン処理開始後2.0日から4.5日にかけて認められた。裂開は熟柿化過程の早い時期に発生することが明らかになった。また裂開は発生時期にかかわらず発生の後発達しその長さは100〜140mmにも達した。果皮への深い傷つけ処理により裂果が有意に誘導されたが、その効果は果実赤道部よりも果頂部付近で大きかった。エチレン処理前の低温貯蔵期間におけるひび割れの発達が裂果の原因の一つであると推察された。
- 2008-07-31
著者
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