Clostridium difficile associated diarrhea (CDAD) を合併した糖尿病透析患者の1例
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概要
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Clostridium difficile(C. difficile)感染症のうち,偽膜形成を伴わずに,難治性の下痢を伴う,いわゆるC. difficile associated diarrhea(CDAD)症例を経験したので報告する.症例は58歳,女性.糖尿病性腎症が原因で透析歴は9年になる.インスリン治療を行っており,また,高血圧を合併しているため,降圧療法も施行している.近接期に抗生剤投与は行っていないが,発熱,腹痛を伴わない水様性下痢が出現し,多いときには1日20回以上に及んだ.止痢薬やプロバイオティクスの投与と輸液を行いながら,経過観察していたが,治療には全く反応しなかった.2か月にわたり下痢が持続していたが,全身状態の悪化は認めなかったため維持透析を継続していた.便検査よりC. difficileは検出されなかったが,便CD抗原が陽性となったため,大腸内視鏡を施行.偽膜形成を伴った大腸病変は認められず,そのほかの大腸器質的病変もポリープのみしか認められなかった.CDADの診断でバンコマイシンを1.5g/日×14日間投与し,下痢は消失した.その後,再発なく経過良好である.難治性下痢を伴う維持透析症例の中には,本症例のようにCDAD例が含まれると考えられる.このため,透析患者において,頻回の下痢を伴う例では,便CD抗原の検査は必須と考えられ,また,CD抗原陽性の際にはバンコマイシン投与が有効であると考えられた.
- 社団法人 日本透析医学会の論文
- 2008-06-28
著者
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花房 雄治
伊豆下田病院
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横山 良望
望洋会横山クリニック
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儘田 文子
望洋会横山クリニック
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花房 雄治
望洋会横山クリニック
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相田 貞継
望洋会横山クリニック
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月原 弘之
望洋会横山クリニック
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河村 英之
望洋会伊豆の里診療所
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岡田 典之
南あたみ第一病院外科
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長田 真理
望洋会横山クリニック
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勝見 勝吉
望洋会横山クリニック
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岩本 和彦
望洋会横山クリニック
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