声帯ポリープ症例に対する音声治療の検討
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概要
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声帯ポリープ症例に対する音声治療の有効性を検討したので報告する. 対象は音声治療前後の喉頭所見を評価できた20例. うち18例は慢性の音声酷使があった. 音声治療前後で聴覚印象はG, Rで有意に改善し, 自覚症状は90%が改善した. また, 声帯ポリープの変化は5例が消失, 6例が縮小, 9例が不変であった. 音声治療により声帯ポリープが消失・縮小しやすいのは聴覚印象スコアの低い症例であり, 浮腫が主体で基部や周辺に粘膜波動を認める症例もその傾向にあった. 声帯ポリープ発症の背景に慢性の音声酷使があり, 聴覚印象で嗄声の軽度な症例, 浮腫主体のポリープである症例に対しては, 手術治療に先行して音声治療を試みてもよいのではないかと考えられた.
- 2011-04-20
著者
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前川 圭子
西神戸医療センターリハビリテーション科
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前川 圭子
西神戸医療センター
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岩城 忍
西神戸医療センター リハビリテーション科
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岩城 忍
西神戸医療センターリハビリテーション科
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城本 修
県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科
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城本 修
県立広島大学 保健福祉学部コミュニケーション障害学科
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飯田 佳実
西神戸医療センターリハビリテーション科
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田邉 牧人
耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院
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