乳房再建術における手術部位感染サーベイランス : 組織拡張器と人工乳房の比較
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概要
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乳がんに対する乳房再建術,ティッシュ-エキスパンダー再建術(エキスパンダー再建術)とコヒーシブシリコン入れ替え手術(シリコン入れ替え術)で手術部位感染(SSI)が頻発した.そこで,後ろ向きにサーベイランスを実施した.その結果,エキスパンダー再建術は17例でSSIの発生はなく,シリコン入れ替え術29例中SSI発生例は8例だった.乳房再建術でSSIを起こすのはシリコン入れ替え術の時であることが明確になった.また,SSI発生例8例中4例が手術後の補助化学療法の一つである,ドセタキセル・シクロフォスファミド(TC)療法を行い,シリコン入れ替え術を施行していた.SSI発生の要因としては,TC療法を行い,シリコン入れ替え術を施行するとSSIを発生しやすくなる傾向にあると考えられたが明確ではなかった.これらの結果を参考に,シリコン入れ替え術におけるSSIの低減を目標とした術中手順の見直しを図り,SSIの発症はなかった.今回の術中手順の見直しにより,術野汚染の減少が図れたことはもちろんであるが,医師と看護師が共に明確な目標を持って手術に臨むことで,手術全体の質改善へと繋がったと考える.
- 2010-11-25
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