シアリダーゼとその機能
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概要
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シアリダーゼは糖蛋白や糖脂質糖鎖末端からα-グリコシド結合シアル酸残基を脱離する糖分解酵素で、糖鎖分解の初期反応を触媒する。動物起源のシアリダーゼは単にリソソームでの異化分解に関わるのみではなく、シアロ複合糖質を修飾することにより、多くの細胞現象を制御していることがわかってきた。これまで、Neu1、Neu2、 Neu3、Neu4と呼ばれる4種の動物シアリダーゼが同定され、性状解析されてきたが、それらは主な細胞内局在や基質特異性等の酵素学的性質が異なっている。事実、各々のシアリダーゼはそれらの性質に応じて、独特の役割を果たしていることが次第にわかってきた。近年、細胞分化、増殖、アポトーシス等の細胞機能に関わっているという証拠が蓄積してきている。本稿ではこれまで明らかになった動物シアリダーゼの生理的・病理的役割について簡単に紹介する。
- 2010-05-31
著者
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Miyagi Taeko
Division Of Biochemistry Miyagi Cancer Center Research Institute
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Miyagi Taeko
Division Of Cancer Glycosylation Research Institute Of Molecular Biomembrane And Glycobiology Tohoku
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