アルツハイマー病の病態とバイオマーカー開発
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概要
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アルツハイマー病(AD)の根本治療薬の登場を目前にして,ADの診断と薬効評価パラダイムが,従来の認知機能検査ベースからバイオマーカーベースへと大きくシフトしようとしている.また,蓄積物質(病理像)を画像化する新しい分子イメージング技術が日米両国で開発されている.このような考えに立って米国で2005年から発案・開始されたプロジェクトが,Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)である.ADNIは米国,欧州,オーストラリアと本邦の世界4極で同一プロトコールを用いて実施される長期観察研究である.ADNI研究の目的は,①AD,軽度認知機能障害,正常高齢者において,MRIやPETなどの画像データの長期的変化に関する一定の基準値を作るための方法論を確立すること;②画像サロゲートマーカーの妥当性を証明するために臨床指標,心理検査,血液・脳脊髄液バイオマーカーを並行して収集すること;③AD根本治療薬の治療効果を評価するための最良の方法を確立すること,の3点である.2008年7月Japanese-ADNIで患者登録が開始された.蓄積物質をイメージングすることは究極のバイオマーカーとして,将来は発症前診断を可能にするかも知れない.製薬企業による根本治療薬開発との連動が不可欠である.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2010-01-01
著者
-
荒井 啓行
東北大学加齢医学研究所 脳科学研究部門 老年医学研究分野
-
岡村 信行
東北大学医学系研究科 機能薬理学分野
-
藁谷 正明
東北大学加齢医学研究所 脳科学研究部門 老年医学研究分野
-
古川 勝敏
東北大学病院老年科
-
谷内 一彦
東北大学医学系研究科 機能薬理学分野
-
工藤 幸司
東北大学 未来医工学治療開発センター
-
谷内 一彦
東北大学 医学部 医学系研究科機能薬理学分野
-
谷内 一彦
東北大学大学院医学研究科機能薬理研究分野
-
谷内 一彦
東北大学・医学部・教育評価センター
-
谷内 一彦
東北大学 院・医・機能薬理
-
谷内 一彦
東北大学大学院医学系研究科機能薬理学
-
荒井 啓行
東北大学先進漢方治療医学講座
-
荒井 啓行
東北大学 大学院医学系研究科機能薬理学分野
-
荒井 啓行
東北大学医学部先進漢方治療医学
-
荒井 啓行
東北大学加齢医学研究所
-
岡村 信行
東北大学 老年・呼吸器内科学分野
-
谷内 一彦
東北大大学院機能薬理学
-
谷内 一彦
東北大 大学院医学系研究科 細胞・病態薬理学分野
-
荒井 啓行
東北大学 大学院医学系研究科先進漢方治療医学講座
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谷内 一彦
東北大学大学院医学系研究科 機能薬理学分野
-
谷内 一彦
東北大学大学院医学系研究科医科学専攻生体機能制御学講座機能薬理学分野
-
工藤 幸司
東北大学 先進医工学研究機構 高度情報通信分野
-
谷内 一彦
東北大学医学系大学院病態薬理学研究分野
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