液体クロマトグラフィー/質量分析法によるアシルグリセロールの直接検出を用いた植物油の法科学的異同識別
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概要
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市販されている7種類の植物油及び2種類の食用加工油について,液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)による分析を行い,これらの識別を行った.LC/MSに非水系の逆相モードを用いることで,油脂の主成分であるトリアシルグリセロール(TAG)を迅速に検出することができ,得られたマススペクトルはTAGの分子構造を反映する特徴的なパターンを示した.更に,各油から得られたクロマトグラムのパターンは,構成脂肪酸の違いから生じるTAGの組成を顕著に反映したものとなり,油種の識別は容易に可能であった.食用加工油の分析においても,中鎖脂肪酸を含む油及びジアシルグリセロール(DAG)を主成分とする油の分析において,通常の植物油には観測されない特徴的なTAG又はDAGが検出され,これらを識別できた.LC/MSを用いることにより,試料への煩雑な前処理を行うことなく,短時間の測定で,油脂の主成分検出と油種の識別を同時に行うことが可能であった.
- 2010-05-05
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