診断に苦慮した咽頭食道胃壁内膿瘍の一例
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概要
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症例は68歳の男性で,主訴は咽頭痛,呼吸困難であった。CT所見から咽頭後間隙から食道,胃噴門部にかけての膿瘍を疑い頸部外切開にて開放を行うも咽頭後間隙には膿瘍を認めず,食道直達鏡,上部消化管内視鏡にて咽頭,食道,及び胃を観察した。咽頭から食道胃粘膜下の腫脹を認め穿刺,排膿した。術中所見,画像所見より咽頭食道胃壁内膿瘍と診断し薬物加療を行った。その後播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併し,カルバペネム系薬剤のtime above MICを考慮しMEPM 1回0.5mgを1日4回投与に変更し救命し得た。通常深頸部膿瘍は,頸動脈間隙や咽頭後間隙,危険間隙を介し縦隔に進展するが,今回は膿瘍が咽頭食道胃壁内に生じた非常に稀な症例であった。
- 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会の論文
- 2009-06-30
著者
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原 晃
筑波大学大学院人間総合科学研究科 臨床医学系耳鼻咽喉科
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原 晃
筑波大学臨床医学系耳鼻咽喉科
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田渕 経司
筑波大学大学院人間総合科学研究科・耳鼻咽喉科
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原 晃
筑波大学大学院人間総合科学研究科・耳鼻咽喉科
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村下 秀和
国立病院機構 霞ヶ浦医療センター 耳鼻咽喉科
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原 晃
筑波大学耳鼻咽喉科
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野村 正猛
筑波学園病院耳鼻咽喉科
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村下 秀和
筑波学園病院耳鼻咽喉科
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米納 昌恵
筑波学園病院耳鼻咽喉科
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村下 秀和
筑波学園病院 耳鼻咽喉科
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野村 正猛
筑波学園病院 耳鼻咽喉科
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田渕 経司
筑波大学大学院人間総合科学研究科 (医学) 耳鼻咽喉科
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原 晃
筑波大学大学院人間総合科学研究科
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田淵 経司
筑波大 臨床医学系 耳鼻咽喉科
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米納 昌恵
筑波学園病院 耳鼻咽喉科
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