骨膜外パラフィン充填術後34年目にパラフィン喀出, 肺炎をきたした1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は60歳代,男性.33歳時に肺結核に対し両側の骨膜外パラフィン充填術を受けた.術後34年目に微熱・咳嗽・喀痰が出現し,パラフィンの喀出を認めた.胸部X線写真および胸部CTでは,拡大傾向を示す左上肺野のパラフィン充填腔と左上葉の浸潤影を認めた.パラフィンの喀出を認めることから,パラフィン充填腔の肺への穿破と充填腔の感染,および周囲の肺炎を疑い,左側パラフィン除去の目的で手術を行った.左上葉を圧排する充填腔は骨性蓋に覆われ,左上葉との強固な癒着を認め剥離が不可能であったため,パラフィン除去とともに左上葉切除を行った.病理所見では肺穿孔部位は明らかでなかった.術後は解熱が得られ,微熱や喀痰などの症状も改善した.残肺の含気も良好であり,術後21日で退院した.骨膜外パラフィン充填術の晩期合併症としてパラフィンの皮下脱出や充填腔の拡大などが報告されているが,パラフィンの喀出が見られることは極めて稀であり報告する.
- 2009-09-15
著者
関連論文
- 12. 巨大メッケル憩室の腸重積による小腸壊死の1例(一般演題,第81回日本小児外科学会北海道地方会)
- 骨膜外パラフィン充填術後34年目にパラフィン喀出, 肺炎をきたした1例
- 骨盤内副脾腫大にて再燃し脾摘17年後に腹腔鏡下副脾摘出術を施行した遺伝性球状赤血球症の1例
- P-1-524 術前診断にてリンパ節転移および,播種性の進展を指摘しえた高度進行食道GISTの1切除例(GIST3,一般演題(ポスター),第64回日本消化器外科学会総会)
- 11. 鎖肛術後,前治療にもかかわらず1年以上持続した慢性便秘に対する大建中湯の有効性の検討(一般演題,第80回日本小児外科学会北海道地方会)
- P-3-104 当科における胃癌穿孔症例の検討(急性腹症,一般演題(ポスター),第63回日本消化器外科学会総会)
- O-3-129 当科における膵頭十二指腸切除術後再発症例に対する手術治療の検討(胆・膵 集学的治療3,一般演題(口演),第63回日本消化器外科学会総会)
- 10. 全結腸型Hirschsprung病の7例(一般演題,第78回日本小児外科学会北海道地方会)
- DP-135-1 当院における残胃癌の検討(第108回日本外科学会定期学術集会)
- DP-006-6 リニアステイプラーを利用した幽門側胃切除のBillroth I法再建の工夫(第108回日本外科学会定期学術集会)