重症小児に対する急性血液浄化法の臨床的検討 : 救命率の向上を目指して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
急性血液浄化 (CRRT) が施行された集中治療を要する重症症例に限定し救命率に与える各種条件について検討した。2002年1月から2005年9月までにCRRTを行った34症例を対象とした。Endpointを救命率として各種条件につき検討を行った。年齢の中央値は2歳6ヵ月。体重の中央値は8.9kg。血液浄化法は,CHFが16例,CHDFが19例,PEXが8例。敗血症症例に対してPMX-DHPを7例に施行した。 年齢1歳以上,体重4kg以上,CAI 5μg/kg/min以下,PELODスコア20点未満,CPRを受けていない患児において救命率が高かった (有意差あり)。敗血症合併例と非合併例との間で救命率50.0%と52.4% (有意差なし)。 重症小児に対するCRRTは,循環動態が不安定になる前で,PELOD 20未満の早期の血液浄化導入が良好な救命率につながることが示唆された。また,予後不良な敗血症例でも最近はPMX-DHPを積極的に導入しており,以前の報告と比較して救命率が向上した可能性が考えられた。
- 日本小児腎臓病学会の論文
- 2007-11-15
著者
-
和田 尚弘
静岡県立こども病院腎臓内科
-
山内 豊浩
静岡県立こども病院腎臓内科
-
北山 浩嗣
静岡県立こども病院腎臓内科
-
山田 昌由
静岡県立こども病院腎臓内科
-
澤田 真理子
静岡県立こども病院腎臓内科
-
川崎 達也
静岡県立こども病院腎臓内科
-
稲垣 徹史
宮城県立こども病院総合診療科
-
深山 雄大
静岡県立こども病院腎臓内科
-
稲垣 徹史
太田綜合病院附属太田西ノ内病院 小児科
-
高橋 昌里
日本大学医学部小児科
-
高橋 昌里
日本大学駿河台病院小児科
-
和田 尚弘
静岡県立こども病院nst
-
北山 浩嗣
太田綜合病院附属太田西ノ内病院 小児科
-
和田 尚弘
静岡県立こども病院 腎臓内科
-
深山 雄大
静岡県立こども病院
-
川崎 達也
静岡県立こども病院小児集中治療センター
-
山内 豊浩
静岡県立こども病院救急総合診療科
-
川崎 達也
静岡県立こども病院集中治療科
-
北山 浩嗣
静岡県立こども病院 腎臓内科
-
稲垣 徹史
宮城県立こども病院
関連論文
- II-5.全科型NST活動 : 5年を経過して(要望演題3「NST運用の実際と問題点」,第39回日本小児外科代謝研究会)
- 小児腎不全患者の不登校問題に対する援助について
- 先天性ネフローゼ症候群に糖原病を合併した1例
- 抗 Factor H 抗体による非典型的溶血性尿毒症症候群 (non-Stx HUS) の1例
- 2.生体腎移植後5年目に発症した肺平滑筋肉腫の1例(【III】一般演題,第52回東海小児がん研究会,研究会)
- 本邦初の Interleukin-1 receptor associated kinase 4 欠損症兄弟例の臨床的特徴
- 難治性てんかんに対しジアゼパムが著効している新生児型非ケトン性高グリシン血症の1例
- 日齢25に発症した遅発型B群溶血性連鎖球菌髄膜炎に対してCHDF・エンドトキシン吸着を施行した1例
- 生体腎移植後に発症した肺平滑筋肉腫の1例
- 当院のPICUにおける血液浄化療法