虫垂憩室症の臨床病理学的検討
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概要
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虫垂憩室症は比較的稀な疾患である.術前診断が困難であり,急性虫垂炎の診断で手術され,術後検索にて発見されることが多い.今回われわれは経験した15例の虫垂憩室症について臨床病理学的検討を行った. 虫垂炎,虫垂粘液嚢胞腺腫,虫垂憩室症と診断し手術を施行した242例のうち,病理診断で虫垂憩室症と診断したのは15例(6.2%)であった.術前診断が可能であったのは3例(20%)であり,その他はすべて術後に確定診断された.病理学的診断では11例(73.3%)で憩室に高度な化膿性炎症がみられ,うち9例(81.9%)に穿孔が確認された.また憩室の腔内や周囲間質に粘液鬱滞を認めるものが6例(40.0%)あり,その内3例(50.0%)は穿孔をきたしていた. 以上,虫垂憩室症は高度な炎症をともなうと穿孔をきたしやすいことが病理学的に示唆された.
- 2009-08-01
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