大腸憩室疾患-日本における最近の傾向
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概要
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大腸憩室は,欧米,本邦ともに年代とともに増加してきている.本邦での1980年の報告では大腸憩室の保有率は5.5%を占めるに過ぎなかったが,1990年代の発表では10.9%∼39.7%の頻度と報告されている.また,罹患率は加齢とともに増加し,40歳以下では16∼22%の頻度であるが,80歳以上では42∼60%に達する. 欧米において大腸憩室はS状結腸を中心に左側に群発するが,本邦では右側型が多くみられるのが特徴である.しかし,近年は右側型に左側型が合併した両側型が増加してきており,また,年齢とともに左側結腸の憩室が増加する傾向にある. 出血の頻度に関しては欧米の報告では大腸憩室の3∼47%に認めるとされるが,本邦では数%に過ぎず頻度は低い.しかしながら高齢者に多くみられるとの報告があり,今後高齢化が進む本邦においても憩室出血例が増加することが懸念される.
- 日本大腸肛門病学会の論文
- 2008-10-01
著者
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加藤 順
岡山大学 大学院消化器・肝臓内科学
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石川 信
岡山大学大学院 消化器・肝臓内科学
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石川 信
岡山大学病院消化器肝臓内科
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加藤 順
岡山大学病院消化器肝臓内科
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加藤 順
岡山大学病院 消化器内科
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