動物実験の倫理指針と運用の実際
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概要
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平成17年(2005年)の動物愛護管理法改正により,動物実験の国際原則である3R(Replacement,Reduction,Refinement)の理念がはじめて明文化された.3Rのもとに,実験動物の飼養保管と苦痛軽減に関する基準(環境省)および動物実験に関する基本指針(文科省,厚労省,農水省)とガイドライン(日本学術会議)が制定され,2006年に一斉施行された.欧州諸国は動物実験を法規制しているのに対して,わが国とアメリカでは機関長の責任の下で研究者が自主的に管理している.自主管理の事実上の推進役は機関内の動物実験委員会である.動物の苦痛と動物実験がもたらす恩恵(意義)の比較(cost-benefit analysis)のもとで,動物実験計画を審査する権限が与えられている.研究者は,実験の恩恵(意義)について説明責任を果たすと同時に,動物の苦痛を正しく理解し,可能な限り軽減しなければならない.そのため実中研の委員会は,動物実験審査要領を策定し実験処置コード表を添付した.ここでは,洗い出された129種類の実験処置のひとつひとつに苦痛度が明記されている.委員会は審査要領を3カ月ごとに見直すとともに,研修会や所内WEBを通じて所員に周知を図っている.苦痛度の周知は動物実験倫理に関する所員の教育にきわめて有効である.
- 2008-03-01
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