鼻・副鼻腔 inverted papilloma に対する術式の検討
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概要
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Inverted papillomaは良性腫瘍だが, 再発の頻度が高くまた悪性化が報告されており, 初回手術の確実な摘出が極めて重要である. われわれは2000年以降に当科で手術を施行した鼻・副鼻腔inverted papillomaの24例 (32件) に対して, 術式とその再発率・再発部位等について, 篩骨眼窩板 (眼窩紙様板) および涙骨の処理に着目して検討を行った. 32件中9件に再発を認め, 再発部位はすべて眼窩紙様板周辺であった. 2002年までは17件中7件に再発を認め再発率は41%であった. そのため基本術式の選択基準を変更した. すなわち, 2003年以降は腫瘍が眼窩紙様板や涙骨に癒着している症例では積極的に眼窩紙様板および涙骨の部分的合併摘出 (鼻外篩骨洞前頭洞拡大手術) を行った. その結果15件中2件の再発で再発率は13%に改善した. 近年, inverted papillomaに対する術式として低侵襲な内視鏡下鼻内手術の報告が多い中, 眼窩紙様板および涙骨の部分的合併摘出は, 進行症例に対する根治治療として非常に有用であると思われた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 2008-08-20
著者
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佃 守
横浜市立大学大学院医学研究科頭頸部生態機能・病態医
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石戸谷 淳一
横浜市立大学 市民総合医療センター 耳鼻咽喉科
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佃 守
横浜市立大学大学院医学研究科頭頸部生体機能・病態医科学
-
佃 守
横浜市立大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
-
佃 守
神奈川県立がんセンター 頭頸部外科
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佃 守
横浜逓信病院 耳鼻咽喉科
-
小松 正規
横浜市立大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
-
塩野 理
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
河野 敏朗
西横浜国際総合病院耳鼻咽喉科
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石戸谷 淳一
国立国際医療センター耳鼻科
-
阿野 敏朗
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
佐久間 康徳
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
三嶽 大貴
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
遠藤 亮
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
河野 敏朗
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
山田 昌宏
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
山下 ゆきこ
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
石戸谷 淳一
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
石戸谷 淳一
横浜市立大学
-
石戸谷 淳一
横浜市立大学市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
山下 ゆき子
横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
-
佃 守
横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
-
山田 昌宏
横浜市立大学第二内科
-
小松 正規
神奈川県立がんセンター・頭頸科
-
佃 守
横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科
-
石戸谷 淳一
横浜市大 医 市民総合医療セ 耳鼻咽喉科
-
石戸谷 淳一
国立国際医療センター耳鼻咽喉科
-
佐久間 康徳
横浜市立大学附属市民総合医療センター・耳鼻咽喉科
-
佃 守
横浜市立大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
-
小松 正規
横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
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