CIA, EAEの病態形成におけるIL-6の役割
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概要
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IL-6は免疫応答,炎症,造血など多様な生理機能を有しているサイトカインである.近年,IL-17Aを産生するTh17と呼ばれる新しい炎症性ヘルパーT細胞集団が,関節リウマチのマウスモデルであるcollagen induced arthritis (CIA)や多発性硬化症のマウスモデルであるexperimental autoimmune encephalomyelitis (EAE)において,病態に深く関与していることが明らかにされ注目を集めている.こうしたTh17細胞のin vitroでの初期分化にはIL-6が関与していることが証明されているが,一部IL-6非依存的なTh17分化経路の存在が示唆されており,実際の疾患におけるin vivoでのIL-6の重要性は不明である.我々は抗IL-6受容体抗体をCIAとEAEに投与することで,IL-6阻害が抗原特異的なTh17細胞の分化を抑制し,CIA及びEAEの発症を抑制することを明らかにした.これらの結果は,IL-6がin vivoにおいてもTh17細胞の分化に関与していることを示唆しており,Th17細胞が発症に関与する自己免疫疾患に対して,抗IL-6受容体抗体が有用な治療薬となる可能性を示すものと考えられる.
- 2008-04-28
著者
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仲 哲治
独立行政法人医薬基盤研究所免疫シグナルプロジェクト
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藤本 穣
独立行政法人, 医薬基盤研究所, 基盤的研究部, 免疫シグナルプロジェクト
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世良田 聡
独立行政法人, 医薬基盤研究所, 基盤的研究部, 免疫シグナルプロジェクト
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