成人腸重積症で発見された潰瘍をともなう上行結腸脂肪腫の1例
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概要
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今回我々は術前診断に難渋した上行結腸脂肪腫を経験したので報告した.症例は42歳,女性,主訴は夜間の上腹部痛腹痛.腹部CT検査では,横行結腸に低吸収域を示す腫瘤陰影と上行結腸に連続したspring coil sign,注腸で同心円状のtarget signを認め腸重積を疑った.大腸内視鏡では表面粗造不整の厚い白苔をもつ隆起性病変を認めた.生検では壊死物質のみであり,間葉系由来の悪性腫瘍(GISTなど)を疑った.切除標本所見では成熟した脂肪細胞より構成され,表面粘膜に潰瘍を形成し線維化をともなう脂肪腫であった.本例では潰瘍による線維化のために周囲脂肪織よりもやや高く不均一な腹部CT検査所見のために術前診断に苦慮した.本邦で報告された腸重積をともなう大腸脂肪腫17例を集計して報告した.
- 日本大腸肛門病学会の論文
- 2008-02-01
著者
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田中屋 宏爾
国立病院機構岩国医療センター外科
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金澤 卓
国立病院機構岩国医療センター外科
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村田 宏
国立病院機構岩国医療センター外科
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村田 宏
国立病院機構岩国医療センター 外科
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金澤 卓
岩国医療センター外科
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田中屋 宏爾
岩国医療センター外科
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金澤 卓
国立病院機構岩国医療センター 内科
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村田 宏
岩国医療センター外科
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金川 泰一朗
岩国医療センター外科
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金川 泰一朗
岩国医療センター
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