スマンクス・ダイナミック療法による各種進行固形腫瘍に対する著明な抗腫瘍効果 : 血管作動薬を用いた人為的制がん剤デリバリー増強とその有用性
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概要
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スマンクス/リピオドール動注療法は,ミサイル機能と徐放性を有する高分子制がん剤のDDS療法である.本療法は,1回のみの動注では奏効率において,相当な有効性があるものの数回の投与がなければ画期的なものでない.これまでの本法の臨床開発において,不充分・不完全な治療法が一般には広く行われているのが事実であるが,ここに筆者らのこれまでのスマンクスの20年以上にわたる経験に基づき,より完全となった投与法を記す.すなわち,SX/LP注入に際しては,アンジオテンシンIIを用い血圧を上昇させ,その高血圧下にSX/LPの腫瘍部への流入量が増加する反面,正常肝組織へのデリバリー量は減じることができ,肝障害も減少すると考えられる.本法は,これまでの肝細胞がんの好成績に加えて,胆管細胞がん,転移性肝がん,腎がん,肺がん(NO放出剤ISDN使用)に対して施行し,いずれも著しく有効であった.副作用は大いに減少し,より安全で効果的な治療が,より多くのがん腫に対し行われるようになったといえる.
- 2007-06-10
著者
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前田 浩
崇城大学薬学部
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永光 彰典
熊本博愛会病院 外科
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犬塚 貴雄
町立植木病院外科
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GREISH Khaled
崇城大学薬学部
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GREISH K.
崇城大学薬学部
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前田 浩
熊本大学大学院医学薬学研究部微生物学研究室
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