試験管内交雑育種法について-ソバの種内雑種作出を例に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ソバ植物の種内雑種植物体の試験管内での交雑育種を検討した.圃場での良好な組み合わせであるキタワセソバと福井在来ソバを用い,試験管内で誘導したキタワセソバ( 母方,秋型) の花芽に,ポット栽培福井在来ソバ( 父方,夏型) の花粉を試験管内人工授粉させ,受粉花芽・胚珠を培養して試験管内再生植物の育成を試みた.培養体をココナッツミルクを含む培地で培養することにより,飛躍的に試験管内第2 世代植物の再生率が高まり,連続的な試験管内世代交代が可能となった.得られた再生植物体はザイモグラム,RAPD,数種の形態および農業形質から雑種と判断された.バッククロスを3 回繰り返し,母方形質を理論的に94% 持つキタワセソバ個体を育成した.初回の交雑と3 回のバッククロスを終了するまでに掛かった期間は240 日であった.試験管内での第2 世代植物体形成期間(1 世代期間に相当) は55 〜 60 日で,試験管内世代交代期間は圃場のそれより速いと考えられた.試験管内再生植物の大量迅速育苗による系統確立は可能と考えられた.
- 日本生物環境工学会の論文
- 2007-06-01
著者
-
久島 繁
筑波大学生命環境科学研究科
-
大沢 良
筑波大学生命環境科学研究科
-
マンギタ ワンナ
筑波大学生命環境科学研究科
-
ピンカウ プラパパン
筑波大学生命環境科学研究科
-
カチョンパドングキッテイ ヨンサク
筑波大学生命環境科学研究科