がん治療のための short hairpin RNA 発現ベクターのデリバリー
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
がんは遺伝子の発現異常と密接に関連することから,その異常を修復することによりがん治療が実現可能である.がん遺伝子やがんの進展・転移に関連する遺伝子の発現を抑制することで,副作用の少ないがん特異的治療が実現するものと期待される.RNA干渉の発見により,配列特異的な遺伝子発現抑制が現実のものとなった.これまでにsiRNAまたは短鎖ヘアピン型RNA(shRNA)発現ベクターの細胞内導入により,標的遺伝子の発現を効率よく抑制可能であることが報告されている.shRNA発現プラスミドDNA(pshRNA)を用いることで,siRNAと比較して長期間の遺伝子発現抑制が得られる.pshRNAが移行した細胞でのみ遺伝子発現が抑制されることから,RNA干渉の誘導によるがん治療効果を決定する重要な要因としてpshRNAのがん細胞へのデリバリー効率があげられる.本稿では,がん治療を目的としたpshRNAのがん細胞へのデリバリーについて概説する.
- 日本DDS学会の論文
- 2007-03-10
著者
-
高倉 喜信
京都大学大学院薬学研究科
-
高倉 喜信
京都大学大学院薬学研究科病態情報薬学分野
-
高橋 有己
京都大学大学院薬学研究科
-
西川 元也
京都大学大学院薬学研究科
-
高倉 喜信
京都大学 大学院薬学研究科病態情報薬学分野
-
高橋 有己
京都大学大学院薬学研究科病態情報薬学分野
-
西川 元也
京都大学大学院薬学研究科病態情報薬学分野
関連論文
- 遺伝子導入とターゲティング
- スカベンジャー受容体ノックアウトマウスを用いたDNAの取り込み機構の解析
- アミンの血液脳関門透過に関与する重炭酸イオン依存性の能動輸送系
- 高分子化学に期待する
- 遺伝子・核酸医薬品のデリバリー : 特集によせて
- Overview : 糖とDDS
- RNAiベクターの生体への応用 (特集 RNAi医工学--医学が手に入れた夢のツールの使い方) -- (原理,手法)
- siRNA・siRNA発現ベクターデリバリーシステム (特集 RNA interference医学への展開--今,RNAiがおもしろい)
- DDSの夢(DDS)
- ドラッグデリバリーシステムとマイクロマシン