肝細胞癌の年代別発生傾向
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概要
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1986から2005年までに当院で経験した初発肝細胞癌655例を対象として成因,発癌年齢,背景肝組織の推移を1期(1986-90年),2期(1991-95年),3期(1996-2000年),4期(2001-05年)の各時期に分けて検討した.成因別ではB型が減り,C型はやや増加,アルコール,原因不明は横ばいである.発癌年齢は全体で年々高齢化し,B型はほぼ同じだがC型,アルコール,原因不明は高齢化している.女性の占める割合は徐々に増えている.非癌部の組織では慢性肝炎の占める割合が年々高くなっている.糖尿病は発癌年齢を有意に低め,高血圧は有意に高める.以上より従来の肝発癌の危険因子が変化し,ますます高齢化して慢性肝炎と女性の占める率が高くなり発癌に高齢化という因子が強く関わるようになってきたと推測された.
- 2007-12-25
著者
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矢倉 道泰
独立行政法人国立病院機構東京病院消化器科
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田中 晃久
独立行政法人国立病院機構東京病院消化器科
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上司 裕史
独立行政法人国立病院機構東京病院消化器科
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井利 雅信
独立行政法人国立病院機構東京病院消化器科
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田中 晃久
独立行政法人国立病院機構 東京病院消化器科
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