ペグインターフェロン治療中に Vogt-小柳-原田病を発症したC型慢性肝炎の1例
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概要
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インターフェロン(IFN)の治療中に自己免疫疾患を併発する事が知られている.我々は44歳の男性でセロタイプ2のC型慢性肝炎例に対してIFN治療(ペグインターフェロンα-2a, 180μg/dl)を施行したが,治療約8週後より頭痛と変視症が出現し自己免疫疾患の一つであるVogt-小柳-原田病(VKH病)に進展した稀な一例を経験した.幸いにも本症例はステロイドパルス療法によりVKH病の眼症状は改善した.また,本症例は,副作用のためIFN投与を10週で中止したが,IFN単独の短い治療期間であるにもかかわらずHCV RNAは持続的に陰性となりウイルス学的著効(SVR)と診断された.IFN投与によりVKH病等の重篤な副作用が起こり得るので,投与中はより綿密な患者のモニタリングが必要と考える.さらに,今後,セロタイプ2に対するIFN投与期間の見直しが必要と思われる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 2007-01-25
著者
-
堀口 潤
東京都立豊島病院消化器内科
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柴山 隆男
東京都立豊島病院消化器科
-
柴山 隆男
東京都立豊島病院消化器内科
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矢島 有希子
東京都立豊島病院眼科
-
土屋 櫻
東京都立豊島病院眼科
-
菱木 智
東京都立豊島病院消化器内科
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柴山 隆男
東京都保健医療公社豊島病院消化器内科
-
菱木 智
東京都保健医療公社豊島病院消化器内科
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