小学校における日々の傷害発生と学校規模要因
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概要
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日々の学校管理下で発生している傷害が学校規模とどのような関連にあるかを検討する目的で, 滋賀県, 京都府, 大阪府の小学校計21校について, 1999年 (9校) および2004年 (12校) の10〜11月の2ヶ月間にわたって, 保健室で対応, 処置したしたすべての傷害を記録・調査し, 各学校の傷害発生数, 受傷児童数と全校児童数および1クラス当り児童数との関連を検討した。1) 調査期間中の各学校における1日当り児童100人当り傷害発生数は0.58〜4.10件で, 21校の平均値では1.79件であった。2) 全校児童数が200人未満 (小規模校), 200〜400人未満 (中規模校), 400人以上 (大規模校) の学校規模別傷害発生数は, それぞれ2.36件, 1.29件, 1.57件で, 中規模校で低い傾向を示した。3) 傷害発生数と学校規模要因との曲線回帰分析の結果, 傷害発生数は1クラス当り児童数との間で統計的に有意な二次回帰方程式および二次項偏回帰係数が得られ, 傷害発生数は1クラス当り児童数が26.7人の場合に最も小さい値を示した。傷害の発生は児童数が少なくても多くても増大することが示唆された。4) 1日当り児童100人当り受傷児童数は, 小, 中, 大規模校それぞれ平均1.34人, 0.94人, 0.97人で, 小規模校で多少高い値を示した。また, 各学校の調査期間中における各児童の受傷回数は, 小規模校の場合, 同じ児童が複数回受傷するケースが多く, 中規模校では逆に少ない傾向が認められた。5) 学校規模別傷害発生要因では, 小規模校の場合, 中, 大規模校にくらべて, 女子が男子より, また, 低学年ほど発生数が多かった。さらに, 創傷の発生頻度はより高かった。一方, 大規模校では小, 中規模校にくらべて, 休憩時間の発生ならびに校舎内の発生がより多かった。6) 日々小学校で発生している (軽微な傷害を含む) 傷害発生頻度は, 共済給付金を申請するような比較的重症な傷害の発生頻度とは相違することが示唆された。
- 2007-01-15
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