肝硬変に合併した硬化性被嚢性腹膜炎の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は38歳の肝硬変の男性で, 腸閉塞症状を主訴に来院.腹部CTで著明な腹水貯留, 一塊となった腸管を認め, 小腸軸捻転と判断し開腹した.腹腔内は白色の硬く厚い被膜に覆われ腸管を識別できず, 萎縮した肝臓表面も同様の被膜に覆われていた.手術所見より硬化性被嚢性腹膜炎(sclerosing encapsulating peritonitis; 以下, SEPと略記)と診断した.術後のステロイド療法により症状改善し, いったん退院したが, 激しい腹痛で再入院.十二指腸球部の穿孔の診断で再開腹, 穿孔部閉鎖術を施したが, 縫合不全を起こし, 徐々に肝不全が進行し死亡した.SEPは肉眼的に"Cocoon-like appearance"を特徴とするまれな疾患で, 肝硬変に合併したSEPの報告例は極めて少ない.特に, 本症例は肝硬変から特発性細菌性腹膜炎の状態にあったと考えられ, 腹腔内の慢性反復感染とSEP発症との関連性が示唆される点で重要と考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2005-11-01
著者
-
森 正樹
河北総合病院 外科
-
洲之内 広紀
河北総合病院消化器・一般外科
-
服部 正一
河北総合病院外科
-
坂東 道哉
河北総合病院外科
-
村田 祐二郎
河北総合病院外科
-
町並 陸生
河北総合病院病理
-
村田 祐二郎
河北総合病院 外科
-
村田 祐二郎
河北総合病院 消化器・一般外科
-
服部 正一
河北総合病院 消化器・一般外科
-
坂東 道哉
河北総合病院消化器・一般外科
-
坂東 道哉
河北総合病院 消化器外科
-
町並 陸生
河北総合病院病理部
-
村田 祐二郎
河北総合病院消化器・一般外科
-
服部 正一
河北総合病院消化器・一般外科
-
洲之内 広紀
河北総合病院外科
関連論文
- 臨床と研究 大腸癌術後再発例に対する腫瘍マーカー(CEA,CA19-9,CA72-4)と予後・再発形式の検討
- RS-154 大腸癌術後再発例に村する腫瘍マーカー(CEA・CA19-9・CA72-4)と予後・再発形式の検討(要望演題8-1 大腸癌術後フォローアップ1,第63回日本消化器外科学会総会)
- 手術症例報告 有茎空腸パッチ再建術を施行した十二指腸GISTの1例
- P-1-537 診断に難渋した放射線照射後S状結腸狭窄内癌の1例(大腸・肛門 症例2,一般演題(ポスター),第62回日本消化器外科学会定期学術総会)
- 1848 盲腸癌術後孤立性脾臓転移の1例および消化器癌術後再発例に対するDWIBS法の有用性について(大腸癌転移3(症例),一般演題,第61回日本消化器外科学会定期学術総会)
- 腫瘍関連抗原CA72-4の組織内発現からみた大腸癌患者の予後・再発形式の検討 : CEA免疫組織化学染色と比較して
- 肝硬変に合併した硬化性被嚢性腹膜炎の1例
- 鼠径ヘルニア嵌頓に腸管穿孔を伴った2例(全般9, 第60回日本消化器外科学会総会)
- 消化器癌手術症例に対する E-PASS scoring system の有用性 : 手術侵襲評価の標準化(侵襲1, 第60回日本消化器外科学会総会)
- イレウスの早期診断・治療方針決定におけるCT Grade 分類の有用性(小腸2, 第60回日本消化器外科学会総会)
- CA72-4 (B72.3) 組織内発現からみた大腸癌患者の予後・再発形式の検討 : CEA染色と比較して(大腸癌術後フォローアップをどうするか, 第60回日本消化器外科学会総会)
- PPS-1-255 大腸癌術後再発例における予後因子の検討 : 初発再発時の血清CA72-4の有用性について(大腸分子生物2)
- PS-115-1 大腸癌症例におけるCA72-4(B72.3)組織内発現および予後・再発形式の検討 : CEA免疫組織化学染色と比較にて
- 絞扼性イレウスの早期診断と手術のタイミング : 術前血中IL-6値を加えた検討
- 進行大腸癌症例におけるCA72-4(B72.3)免疫組織化学的染色の臨床的意義 : 特に再発形式と治療方針の決定について
- 直腸癌辺縁部の超音波画像に基づいた神経温存術とその成績
- PC-2-224 肝硬変に伴った硬化性被嚢性腹膜炎(Sclerosing Encapsulating Peritonitis)の1例
- PP-1-099 S状結腸軸捻症に対する腹腔鏡補助下Sharon手術の工夫と長期成績
- OP-2-100 CA72-4による大腸癌異時性再発での予後検討
- 超音波画像small spot signからみた大腸癌の術前病期診断
- PP114015 腸閉塞に対する手術のdecision makingと至適手術についての検討
- 空腸瘻孔と多臓器浸潤を伴った多発空腸悪性リンパ腫の1例
- 成人鼠径、大腿、閉鎖孔ヘルニア嵌頓の手術 (特集 急性腹症の手術)
- ^In-ペンテトレオチド(MP-1727)第III相追加臨床試験 : ソマトスタチン受容体の存在を指標とする消化管ホルモン産生腫瘍の画像診断
- RS-5-14 90歳以上の大腸癌手術症例の検討 : リスク評価と成績について(要望演題5-3 高齢者手術の諸問題3,第64回日本消化器外科学会総会)
- 当院における輸血インシデント事例の検討 : 7年の集積
- 胃切除後30年目に発症した Braun 吻合部逆行性腸重積の1例
- 救命しえた壊死型虚血性大腸炎の3例
- 臨床報告 腸管壁にチョコレート嚢胞を形成し,リンパ節病変を伴った回腸子宮内膜症の1例
- 臨床経験 腸管原発悪性リンパ腫11例の検討--胃リンパ腫と比較して
- 84) たこつぼ型心筋症と急性膵炎で発症した副腎外原発褐色細胞種の一例(第190回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 814 上腹部外科手術前呼吸リハビリテーションの有効性検討(内部障害系理学療法9, 第42回日本理学療法学術大会)
- PP109029 右側結腸癌における肝胆膵合併切除の意義
- PP1041 急性中垂炎に合併した大腸癌の診断と治療
- 若年性閉鎖孔ヘルニアの1例
- 症例 胆嚢原発の巨大真性癌肉腫の1例
- PP107075 大腸癌症例におけるCA72-4の臨床的意義の検討 : 術前値および術後followデータによる
- PP591 大腸癌フォローアップにおける腫瘍マーカーの検討および肝転移切除例でのCA72-4の有用性
- PP-552 大腸癌に於ける腫瘍辺縁部超音波画像と臨床的意義 : 組織学的分子生物学的検討を加えて
- 症例 小腸悪性ラブドイド腫瘍の1例
- 症例 広範囲躯幹部拡散強調背景信号抑制(DWIBS)法が診断に有用であった盲腸癌術後孤立性脾臓転移の1例
- 電子顕微鏡の病理学への応用の歴史
- PP995 腹部救急疾患と高齢者大腸癌手術に於ける周術期血中サイトカイン(IL-6)値と臨床的意義
- W7-8 腹部救急疾患における周術期血中サイトカイン値と臨床的意義
- S4-4 大腸癌に於ける門脈血CEAmRNA測定の臨床的意義 : CEA、p53免疫組織化学的検討を加えて
- 385 各種大腸手術に於ける周術期血中サイトカイン値と臨床的意義
- 481 消化器外科周術期に於ける血中IL-6測定の意義 : 緊急手術例と定時手術例の比較検討
- VS-4-5 腫瘍辺縁部の超音波画像に基づいた大腸腹腔鏡手術の適応拡大と手技上の工夫 : 病理組織像との比較検討から ( 大腸癌に対する内視鏡的治療)
- 化学療法で長期寛解を得た超高齢食道原発非ホジキンリンパ腫の1例
- P1-257 当院におけるXELOX+Bevacizumab(BV)療法の安全性の評価 : 高齢者(75歳以上)と非高齢者(74歳以下)を比較して(がん薬物療法(他の副作用対策),ポスター,一般演題,岐路に立つ医療〜千年紀の目覚め〜よみがえれ!ニッポン!薬の改革は我らが手で!)
- 腹腔シャントを有する水頭症患者の消化管癌の2例
- 胆嚢捻転症の臨床的検討