緩効性肥料を用いた毛管水耕によるジャガイモの種イモ生産
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概要
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ジャガイモの種イモを噴霧耕で生産する場合, 停電によって培養液の噴霧が停止する危険性があり, また, 皮目が肥大し品質が低下することが問題となる.培地底部から垂らした帯状の布で培養液を毛管現象によって吸い上げ, 培地内に培養液を供給して作物を栽培するシステムは, これらの問題を解決する方法として開発された.一方, これらのシステムでは培地内に養分が蓄積すること, 培養液を吸い上げる布に根が張り付いて再使用ができないなどの問題点もある.本研究では, 培養液は使用せず水のみを吸い上げ, 単肥あるいは市販の緩効性肥料(Multicote, OsmocoteおよびMagamp K)を混合した培地に水分を供給する栽培システムによるジャガイモの種イモ生産性について調査した.地上部の新鮮重は, 培養液供給処理区が72.9g, Multicote 100g区では66.4gと大きな値を示した.いずれの緩効性肥料でも施肥量が多いほど地上部の新鮮重が増加した.総塊茎重は培養液供給処理区と比べMulticote 100g/box区とOsmocote 80g/box区で4〜13%多かった.吸水させる帯状の布に附着した根量は, 緩効性肥料処理区で培養液供給処理区の13%であった.
- 2005-07-15
著者
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韓 尚憲
東京大学大学院農学生命科学研究科
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姜 奉均
The Research Institute for Subtropical Agriculture Biotechnology, Cheju National Univ.
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韓 尚憲
Faculty of Horticulture & Life Sciences, College of Applied Life Sciences, Cheju National Univ.
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姜 奉均
The Research Institute For Subtropical Agriculture Biotechnology Cheju National Univ.
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