ZrO_2触媒によるジカルボン酸ジエステル類のジアルデヒドへの水素化反応 : (第1報)各種ジエステル類の水素化反応性
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概要
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ZrO2触媒による各種ジカルボン酸ジエステル類の水素化反応を検討した。芳香族ジエステルであるベンゼンジカルボン酸ジメチルエステル類の反応性はパラ- >メタ-置換体の順で高く,それぞれ対応するモノおよびジアルデヒドに変換された。しかし,オルト置換体であるフタル酸ジメチルの水素化ではアルデヒドは生成しなかった。反応中間生成物として考えられるテレフタルアルデヒド酸メチルは,本反応条件下においてジアルデヒドに変換されることも確認した。以上より,本反応では二個のエステル基が逐次的に水素化を受けることにより進行すると推定した。脂環式ジエステルである1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルは,テレフタル酸ジメチルと同様な水素化反応成績を示した。一方,グルタル酸ジメチルやアジピン酸ジメチルのような脂肪族ジカルボン酸ジエステルの水素化を試みたが,アルデヒド類は生成しなかった。また,ZrO2触媒をCr,In,Zn等で修飾することにより,触媒活性が向上した。Zn修飾触媒(物質量比Zn/Zr = 5/100)を用いた場合,テレフタルアルデヒド酸メチルの水素化におけるジアルデヒド選択率は72.4% に達した。
- 社団法人石油学会の論文
- 2004-09-01
著者
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