ZrO_2触媒によるジカルボン酸ジエステル類のジアルデヒドへの水素化反応 : (第2報)拡散反射FT-IRおよびCP/MAS^<13>C NMRによる触媒表面解析
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概要
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ZrO2触媒によるベンゼンジカルボン酸ジエステル類の水素化反応では,テレフタル酸およびイソフタル酸ジエステル類は対応するモノおよびジアルデヒドに変換された。しかし,フタル酸ジメチルはアルデヒド類を与えなかった。この理由を明らかにするため,拡散反射法FT-IRおよびCP/MAS 13C-NMRによる触媒表面吸着種の解析を行った。その結果,テレフタル酸ジメチルからはモノカルボキシレート吸着種が主に観察された。一方,フタル酸ジメチルではジカルボキシレート吸着種のみが触媒表面上に存在した。イソフタル酸ジメチルの場合では,モノおよびジカルボキシレート種の両方の存在が示唆された。このジカルボキシレート型吸着種が生成することにより触媒活性が低下し,本水素化反応のアルデヒド選択性が低下するものと推定した。また,テレフタル酸ジメチルの水素化における中間生成物であるテレフタルアルデヒド酸メチルを触媒に作用させると,メチルエステル基がアルデヒド基に優先して触媒に吸着することが分かった。
- 社団法人石油学会の論文
- 2004-09-01
著者
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